2022年4月16日(土)

▼誰もが予想したことだろうが、日本サッカー協会から首脳の活動停止、罰金処分などを受けた鈴鹿ポイントゲッターズの運営業者が県営鈴鹿青少年の森公園にスタジアム建設を計画していることについて、鈴鹿市の末松則子市長は「今後も支援していくことに変わりはない」。かつて同業者と仲良く写真に収まり、得意の笑顔を振りまいた。いまさら撤回とは言えまい

▼資格停止されたJリーグ準加盟に相当する「百年構想クラブ」の今後の扱いについて、同協会は26日の理事会で再検討される。先立つ記者会見で支援を言明すること自体、停止解除への追い風になるというねらいもあるだろう

▼チームへの処分は「厳しい」「遺憾」だとして「処分とスタジアム建設は別問題」と説く。一見勝之知事の論理をなぞったような中身だが、穴は同じということだろう。知事の「大変残念」に対し、末松市長は「遺憾」と言った。重すぎる処分という感想をよりにじませたか

▼「処分とスタジアム建設は別問題」というのも知事、市長共通の言葉だが、「厳しい処分と公益性」はどうか。知事は「公益性を損なうほど」の処分ではないという。「厳しい処分」にもいろいろあるらしい

▼極めつけは、末松市長の「行政の目が入る方が問題が起きにくい」。市体育館などの指定管理を制度の趣旨に反する随契にして混乱させたのは市職員だった。直営施設の自販機を市体育協会の収益にしたのも職員と言われる

▼自己保身を優先し、公平・公正をゆがませたというのは、問題発生のたびにようやく浮かび上がる行政の資質である。