大観小観 2022年4月17日(日)

▼今度は、県債の返済が期日より一日遅れたという。「今度は」というのは、原因がまたも「事務処理ミス」という意味だ。個人的こだわりから言えば、また「チェック体制の強化など、再発防止に努める」というお決まりの「再発防止策」で、ことを済まそうとしているという含みもある▼額が大きい。昨年末明らかになった県税収入の繰り越し手続きミスは四十一億円。今回の償還金不足額が約一億八千万円。いずれも、県のエリート集団といわれる財政課のミスで、前回は「失念」、今回は計算間違い。単純、初歩的なミスのようで「チェック体制の強化」とは同じ計算を二度するということか。訳の分からぬ「再発防止策」でもある▼法が定めた県議会議決を経ずに県立看護大の授業料を値上げしたのも、年度を間違えたためという。ミスに軽重があるかどうか。だんだんレベルがお粗末になっていく。「(職員に)なめられているのかな」と言ったのはやはりミスが連発した時の前知事の言葉。一見勝之知事は何思うか▼組織の規律保持は信賞必罰の徹底と昔から決まっている。財政課としてはあるまじき「失念」のミスでは、だれも懲戒処分にならなかった。看護大学問題では―。記者「職員の処分は?」 一見知事「まず原因究明をしていかなきゃ。まず担当部ですね。さらに全体、全庁的な総務の方ですね。なぜそういうふうになったのか確認しつつ、再発防止を考えていくのと並行して、必要であれば(処分の)ようなものについても考えていく必要があろうかなと」▼百年河清をまつ。まだまだ続きそうだ。