2022年4月7日(木)

▼幹部による意図的な敗退行為の指示があったとして、日本フットボールリーグ(JFL)は鈴鹿ポイントゲッターズに500万円の罰金を科した。元役員に二年間、クラブのオーナーと同社長はそれぞれ三カ月と一カ月のサッカー関連の活動禁止となった

▼Jリーグ準加盟に相当する「百年構想クラブ」の資格を停止されていたが、その扱いについて26日の理事会で再検討するという。厳しい処分と言えるのではないか。資格停止の際「今後の調査の推移を見守りつつ、引き続き支援していきたい」とした末松則子市長は「これで一件落着」とホッと胸をなで下ろしているか

▼昨年11月のJFL最終戦で、翌年以降のJ3昇格を目指す鈴鹿は、その時のための有利なJ3構成をシミュレートして幹部が敗退を指示したという。現場と激しく対立して撤回したものの、試合は敗れた。士気に影響したことは少なくあるまい

▼思い出すのはロンドン五輪の女子サッカーで、日本が移動距離の負担を軽減するため、予選最終戦で引き分けを目ざしたことだ。特に外国メディアから批判されたが、監督はそれも含めて戦術と言い張った。女子サッカー人気に少なからず水を掛けたのではないか

▼プロ野球は捕手のサインの盗み見を禁止し、全日本柔道連盟(全柔連)は小学生大会を廃止した。「行き過ぎた勝利至上主義が散見される」。駆け引きが重視され、指導者や保護者の審判への暴言も目立つ。指導者は首がかかり、保護者は他の子どもが見えなくなっているのだろう

▼スポーツの精神がゆがめられているということである。