ジビエ加工処理施設を開設 鈴鹿市内初「猿田彦山肉工房」 三重

【施設の説明をする伊藤社長=鈴鹿市小岐須町で】

【鈴鹿】三重県鈴鹿市小岐須町で観光農園「鈴鹿ブルーベリーガーデン」を運営する猿田彦ファーム(伊藤嘉晃社長)は10日、同町の事務所敷地内にシカなどのジビエを衛生的に解体する市内初の加工処理施設「猿田彦山肉工房」を開設した。

10月20日付で鈴鹿保健所の食肉処理業許可を受けた。

ジビエ処理加工施設を造ることで、観光農園のバーベキュー場をジビエ専門に特化し、自然を生かした市の新たな観光資源とするとともに、地域産業としての雇用創出などを目指す。

クラウドファンディングで費用の一部を募り、完成した処理施設は延べ床面積約25平方メートル。空き屋を改築し、解体室や処理室、冷凍庫などを設けた。一日あたりの処理能力はシカやイノシシなど大型獣4頭、アライグマやアナグマなど小型獣6頭程度。

加工処理した肉は観光農園で食材として提供するほか、市内外飲食店やインターネットサイトで販売するという。

伊藤社長(41)は「みなさんのおかげでスタートすることができた。ジビエを資源として事業にすることで、中山間地が抱える獣害などの課題解決に向けた成功事例となるよう頑張りたい」と話した。