役員選出に「介入」か 伊賀市職員、県労働委に救済申し立て 三重

使用者側が労組の役員選出に介入したことは労組法が禁じる不当労働行為に当たるとして、伊賀市職員の中井淳夫さん(50)が市の謝罪を求めて三重県の労働委員会に救済を申し立てた。申し立ては20日付。

申立書によると、市の高木忠幸上下水道事業管理者は昨年9月、市上下水道部の労組で執行委員長を務めていた中井さんを交代させるよう市幹部に指示。特定の職員に労組の役員に就くよう働きかけた。

労組が翌月に実施した役員改選では、高木管理者が意図した職員が役員に就いた。中井さんは平成28年から務めてきた役員を退いたほか、今年3月には同部から建設部への異動を命じられた。

上下水道部は労使協定を超える長時間労働をさせたなどとし、伊賀労基署から平成29年以降5回にわたって是正勧告を受けた。中井さんは当時、労働環境の改善などを巡って市議の協力を得ていた。

中井さんは28日、県庁で記者会見し、使用者側の「介入」について「市議に協力を求めた私への腹いせや報復。公共事業体としてあってはならない。労働者の権利を踏みにじる行為だ」と批判した。

労働委は関係者への聞き取りなどを通じて事実関係を確認するとみられる。上下水道部経営企画課は取材に「申し立てがあったことは把握しているが、今後の対応は回答を差し控えたい」としている。