「総点検」で不安払拭努力 三重県議会常任委、マイナカードで県 

【マイナンバーカードの普及に向けた取り組みの説明を受ける総務地域連携交通常任委=県議会議事堂で】

三重県議会は26日、総務地域連携交通、防災県土整備企業、教育警察の各常任委員会と、予算決算常任委の各分科会を開いた。総務地域連携交通常任委では、マイナカードの普及を目指す県の方針に対し、委員から「少し立ち止まって考えては」との声が上がった。全国でマイナカードのトラブルが相次いでいることを受けた発言。総務部は政府の「総点検」に協力することで県民の不安を払拭する考えを示した。

 普及方針に委員から注文も 〈総務地域連携交通=喜田健児委員長(8人)〉

県は生活保護や難病などに関する少なくとも四件の事務でマイナカードを取り扱っている。これらの全てが「総点検」の対象となる見通し。

【マイナカード】

総務部は今年の「県政レポート」の案で「マイナカードの普及に向け、カードの安全性や利便性の広報に取り組む」と明記しているが、全国で問題が相次いでいることの記述はない。

これに対し、舟橋裕幸委員(新政みえ、8期、津市選出)は「アクセルを踏んだような表現」と指摘。マイナカードの普及に向けた取り組みを「凍結」した自治体の例を紹介し、表現を再検討するよう求めた。

総務部は「トラブルが続き、カードへの信頼を得られないと残念」とした上で「国と歩調を合わせる。国の総点検を着実に進める」と説明。近く国から通知される見通しの点検を進める考えを示した。

「花とみどりの三重づくり条例」で推進会議立ち上げへ 〈防災県土整備企業=石垣智矢委員長(7人)〉

県土整備部は「花とみどりの三重づくり条例」に基づく基本計画を策定するため、専門家らでつくる推進会議を10月に立ち上げると報告した。

【基本計画】

県によると、推進会議は景観の専門家や業界団体の幹部ら17人で構成。県は緑地の保全や街路樹の維持管理、関係する人材の育成などに関する意見を委員から聞き取る。

基本計画には、花や植木の活用を推進する方針や目標などを定める。パブリックコメント(意見公募)などを経て年度内に策定する予定。県は年に1度、計画に基づく施策の進捗(しんちょく)を推進会議に報告する。

同条例は「花とみどりで優しさあふれる健やかなふるさと三重」を目指し、県議会の特別委員会が制定を提案。4月に施行した。基本計画の策定や推進会議の設置などを県に義務付けている。

「夜間中学」みえ夢学園高に設置へ 〈教育警察=山内道明委員長(8人)〉

県教委は、義務教育を受けられなかった人らが学び直す「夜間中学」を、県立みえ夢学園高(津市柳山津興)の敷地内に設けると報告した。

【夜間中学】

県教委が夜間中学を設置するのは初めて。昨年10月に設置を決め、設置場所などを検討していた。来年度中に生徒を募集した上で、令和七年4月に開校する予定。

県教委によると、同高で使用していない研修棟を夜間中学の校舎として改修する。夜間中学の教室や職員室などを設ける予定。家庭科の授業などで使う特別教室や体育館、グラウンドは同高のものを使う。

県教委は津駅からバスで15分ほどの距離にあることなどを踏まえて同高を設置先に選んだ。「みえ夢学園高に通う定時制の生徒らと交流することで、多様な学びも期待できる」としている。