2023年6月22日(木)

▼ああ、またか、という思いがする。同時に、なるほど、という気も。県議会事務局から関係法令抵触の疑いが指摘された文化振興条例案に「違法性はない」と反論する県環境生活部が根拠としてあげる同部が文化関連の事務を担うと定めた部制条例について、制定された平成7年当時の検討状況の「詳細は分からない」というのである

▼条例案は、教育や文化に関する職務権限を知事部局に移管する内容。受け皿である部門が決まっているからといって、何でもかんでも無条件に移せるわけはない。個別に法が定めた手続きが必要―と議会事務局は言っているのだろう。当然だ

▼法律や条例は、条文さえあればすべて判断できるというものではない。たとえば逐条解説や成案の趣旨などが参考にされる。県も、かつてはどんな情報でも保存し、将来のもしもの時に備えた。一変したのはカラ出張事件である。平成7年の阪神淡路大震災で交通網が寸断された日に、県監査委員事務局が九州に視察した記録が、情報公開条例で発覚した

▼「だから条例制定までに書類等はきちんと整理しておけと言ったんだ」と幹部が唇をかんだ。以来、有名無実だった書類の保存期間はきちんと守られるようになり、公開請求の対象となる政策決定に関わるメモ類など、後日責任を問われる書類は極力作成しない、あるいは残さないことにされるということだ

▼制度をクリアするために別の制度を作る、というのが外部監査委員に指摘された県の抜け穴作りの手法。部制条例さえあれば、という考え方と合わせて、県の実務の実態がよく分かる。