空き店舗改装しワインバー、ワークショップで壁塗り 伊勢の建築会社プロジェクト

【まちプロジェクトのワークショップで空き店舗のモルタル塗りを行う参加者ら=伊勢市の高柳商店街で(ビーディホーム提供)】

【伊勢】建築会社やカフェなどを手がける三重県伊勢市前山町の「ビーディホーム」(濱口和也社長)が地域貢献の一環として取り組む「まちプロジェクト」。商店街の空き家・空き店舗を活用して伊勢の地で何かを始めたいと思っている人たちを支援し、街の活性化につなげるのが目的で、30日にはプロジェクト第1弾として、市内の高柳商店街にあった子ども服屋を改装したワインバーがオープンする予定。

同社は伊勢の会社として地元の役に立ちたいと、平成25年から園庭に敷く芝生を市内の保育園やこども園計4園にプレゼントしてきたが、コロナ禍の中断を経て、商店街の空き家や空き店舗に着目した新たなプロジェクトを企画した。

店舗デザインの設計プランの無料制作や店内インテリアの提案、ショップカード制作など、同社が得意とする住宅建築のノウハウを生かして空き家や空き店舗の改装を手伝い、費用を抑えるという。プロジェクトは1年に1件のペースで取り組む予定。

今回のワインバー(オーナー・中上浩和さん)の店舗改装は、2月から本格的に作業を開始。社内スタッフらが塗装作業などを手伝ったり、ワークショップを開いて参加者らが壁へのモルタル塗りを行ったりと、オープンに向けて取り組みを進めてきた。スタッフの岩倉典子さんは「プロジェクトを通して新しいつながりが生まれる場所だと体感できた」と話す。

実家の子ども服屋を継いだ中上さんは、高柳商店街にあった店舗が閉店後、以前から興味があったワインバーをやりたいと思い、濱口社長に相談してまちプロジェクトに参加。「今は少しさみしくなっている商店街を盛り上げることができれば。うちの店がきっかけの拠点みたいになっていろいろなお店が増えていってほしい」と意気込む。濱口社長は「まちプロジェクトの活動が地域の活性化につながれば」と話した。

問い合わせはビーディホーム=電話0596(21)1800=へ。