軽トラ「ホンダT360」を展示 きょうから鈴鹿市役所で 昭和40年製

【「ホンダT360」の設置作業をする搬送業者=鈴鹿市役所のモータースポーツ振興コーナーで】

【鈴鹿】三重県鈴鹿市は21日から、同市役所市民ロビーのモータースポーツ振興コーナーで、ホンダ初の四輪市販車として昭和38年に誕生した軽トラック「ホンダT360」を展示する特別企画展「モータースポーツのまち・鈴鹿発 世界へ羽ばたくSUZUKAの歴史」を開く。11月30日まで。

ことしは、市と関係が深い本田技研工業が創立75周年を迎えるとともに、「ホンダT360」が発売から60年を迎える節目の年になる。

展示車両は昭和40年に製造された1台で、栃木県のホンダコレクションホールから借りた。当時の販売価格は29万9千円、愛称は「スポーツトラック」。現在、市場ではほぼ流通していないという。

F1マシンと同様のエンジン配列が特徴で、昭和42年まで生産された。分散生産体制で製造され、車体は鈴鹿製作所が担当。当時の苦労や経験が、後の鈴鹿製作所でのスムーズな四輪車生産につながり、市の発展にも寄与したという。

併せて、市と本田技研の歩みをまとめたパネルなどを展示する。

20日は搬送業者が車両を会場に設置した。

末松則子市長は「市の成長、発展の軌跡を市民と共有し、新しい時代を切り開くきっかけにしたい」と話した。