菰野に伝わる民話を絵本に 町商工会青年部が作成

【完成した絵本を手にする舘委員長(左)ら=菰野町で】

【三重郡】菰野町商工会青年部が同町に伝わる民話を題材にした絵本「ゆのやまのさだごろうばし」を50冊作った。17日から同町図書館で、絵本の原画展も始めた。

大正の終わりのころ湯の山温泉の旅館「寿亭」で、風呂の掃除番をしていた定五郎が物語の主人公。働き者でみんなに慕われ、病気で亡くなるも多くの財産を残した。そのお金で蒼滝橋が架かったというお話。

蒼滝橋は、昭和8年に架けられた湯の山で初のコンクリート橋。映画「男はつらいよ」のロケでも使われた。老朽化のため取り壊され、現在は新しい橋に建て替え中という。

絵本はA4判でカラー20ページ。商工会青年部のこども未来創造委員会が文章を担当し、絵は菰野中学校美術部員12人が手がけた。図書館1階のギャラリーには、中学生が描いた原画11点が並び、25日まで展示している。

【絵本の原画を楽しむ親子=菰野町図書館で】

町内の幼保園十園、小学校5校、中学校2校のほか、放課後児童クラブや図書館などにも絵本を寄贈するという。舘明史委員長(41)は「絵本を通して菰野町のことを知って、町をもっと好きになってほしい」と期待を込める。

18日には、図書館2階の催事室で絵本ライブを開く。「絵本のしんちゃん」として親しまれている「NPO法人ほがらか絵本畑」理事長の三浦伸也さん(61)=同町音羽=が、絵本の読み聞かせをする。時間は午前10時半からで入場無料。