食品廃棄物を堆肥に 明野高と飲食店「循環型農業」 三重・伊勢

【豚のふんと野菜くずなどを活用した堆肥作り(明野高校提供)】

【伊勢】三重県伊勢市の県立明野高校生と津市のイオンモール津南内の飲食店が協力し、店から食品廃棄物として排出される野菜くずなどを堆肥化し、その堆肥で農作物を栽培している。

飲食店の食品廃棄物を活用して堆肥にし、その堆肥で育てた農作物を、また店の食材として使う「循環型農業」の取り組み。

【食品廃棄物を活用した堆肥で育てたタマネギを収穫する生徒と飲食店関係者ら=伊勢市の明野高校で】

食品ロス削減や資源の有効活用を目的に、モール内の飲食店「龍神丸」を経営する青木龍太社長(42)の発案で、昨年10月から活動を開始した。モール内の飲食店九店から集められた野菜くずなど約300キロを、同校で肥育する豚のふんやもみ殻と混ぜて発酵させ、堆肥化。その堆肥を使い、同校の農場でタマネギやニンニク、トウモロコシを育てている。

15日に初収穫を迎え、生産科学科2年生7人と飲食店やイオンの関係者らが協力して、タマネギ約千個、ニンニク約千個を収穫した。収穫した野菜は、飲食店で使用され、客に提供される。

参加した生産科学科2年の西川楓夏さん(16)は「ごみとして捨てられるものを再利用することで、食品ロス削減につながる。環境に優しい堆肥でできた野菜。おいしいと思う」と話していた。

今後、季節ごとの農作物を栽培するという。