県民投票の復活求める 知事も制度見直し検討 三重県議会・代表質問

三重県議会6月定例月会議は6日、稲垣昭義(新政みえ、6期、四日市市選出)と津田健児(自民党、6期、同市)の両議員が代表質問した。稲垣議員は県民の意見を予算編成に反映する「県民提案予算」から県民投票の制度がなくなったことを問題視。「県民参加の理念とは違う」と訴え、県民投票を復活させるよう求めた。一見勝之知事は「県民投票によって予算の使途が決まってしまうことへの指摘もある」としつつ、県民投票の復活も視野に制度の見直しを検討する考えを示した。

学校現場“脱マスク”を

稲垣 昭義議員(新政みえ)
「子どもたちはなかなかマスクを外せない」とし、学校現場への呼びかけを求めた。福永和伸教育長は近く児童生徒や保護者にメッセージを送付し、マスクの着用が必要ないことを伝える考えを示した。

【県民提案予算】
稲垣議員 県は県民参加予算を導入しているが、なぜか「みんつく予算」という愛称や県民投票の仕組みが消えた。これでは県民参加の理念とは違う。県民には提案してもらうだけでなく、政策の意思決定に関わってもらうことが重要。

知事 予算への参加意識を持ってもらうことは重要だが、緊急性や広域性、整合性などの観点で優先順位を付ける必要がある。投票によって予算の使途が決まってしまうことへの指摘もある。令和3年度からは県民投票の仕組みは設けていないが、少し見直したい。

【マスク】
稲垣議員 新型コロナは「5類」に移行したが、子どもたちは長くマスク生活を強いられたため、なかなかマスクを外せない。教職員が率先して外すよう通知している県もある。積極的にマスクを外すようにメッセージを出してほしい。

福永教育長 例えば教職員が率先してマスクを外すなどし、マスクを外しても良いと伝えることが重要。児童生徒と保護者に教育長名のメッセージを出し、平時の着用は必要ないことや登下校時や体育の授業中などは熱中症を防ぐために外す必要があると伝える。

知事は「身近であるべき」

津田 健児議員(自民党)
知事の存在は「身近であるべき」と主張し、姿勢を尋ねた。一見知事は各種計画の策定などに時間を要していた従来に比べ、今後は「時間ができると思う」と説明し、外部との対話を重視する考えを示した。

【知事】
津田議員 若手議員らと意見交換したときに「知事と話せるならどうか」と尋ねたところ、皆が目を輝かせていた。政治家にとって知事が近い存在なのは良いこと。頼れる知事であってほしい。どんな存在でなければならないか。

知事 言い訳になるかもしれないが、知事に就任してから施策展開の土台作りに時間を要していた。これからは、今までよりも時間ができると思う。ふるさとを良くするため、皆さんとしっかり話をしたい。たまには酒を入れながらフランクな議論もしたい。

【主権者教育】
津田議員 4月に行われた県議選では、投票率が41・52%で過去最低だった。若者の政治離れは政治家に責任があると言われても仕方がないが、学校教育で主権者教育を積極的にしていなかったことも理由。主権者教育の現状と課題は。

福永教育長 社会科や公民の学習などで主権者教育を進めている。新聞記事などを題材に考えを深める取り組みにも注力し、教員の研修や適切な教材の提供、優れた実践例の共有も展開したい。政治的中立を確保しつつ、現実の事象を取り扱いながら充実を図る。