本居宣長を知る一級資料 松阪の記念館、随筆集読み解く企画展 三重

【修正が甚だしい「玉勝間」草稿(本居宣長記念館提供)】

【松阪】本居宣長記念館は6日、三重県松阪市殿町の同館で夏の企画展「宣長の目―『玉勝間』の世界」を始めた。晩年にまとめた随筆集を読み解き、宣長の等身大の姿を追求する。会期は9月3日まで。

玉勝間は14巻あり、1005項目にわたる。読書遍歴や本からの抜き書き、弟子から受けた質問への答え、賀茂真淵との出会いなど体験談、地名考証、言語研究などを掲載している。

冒頭は宣長の和歌で始まり、「言葉が思いがけなくたまったので、美しいかご(玉勝間)に摘もう。そうすれば、自分の心を伝えることができるし、よい気分転換にもなるだろう」と詠んでいる。桜への思いをつづった「花のさだめ」の草稿は何度も書き直した跡が残る。

同館は「友人たちとの雑談の内容まで多岐にわたって収録している。宣長を知る上での一級の資料となっている」と説明している。

82種89点を出品。そのうち国重要文化財は33点。展示説明会は6月17日、7月15日、8月19日のいずれも午前11時から。

入館料は大人400円、大学生300円、小学四年―高校生200円。