結婚支援に住民協力を 専門家の棚橋氏、自民県連「女性の集い」で講演 三重

【「女性の集い」で講演する棚橋氏=津市羽所町で】

自民党三重県連の女性局は3日、津市羽所町のアスト津で「女性の集い」を開いた。グランエスペランサ(奈良県桜井市)の社長でNPO法人「日本結婚教育協会」の代表理事を務める棚橋美枝子氏が結婚支援などをテーマに講演。未婚化の理由に「親子のコミュニケーション不足」などを挙げ、住民の協力を得て支援を進める必要性を訴えた。

県連によると、「女性の集い」は女性活躍に向けた党の政策に対する理解増進などを目的として、2年に1度の開催。この日は県内の女性らを中心に、約220人(主催者発表)が参加した。

棚橋氏は元看護師。夫婦問題や結婚の相談所を設立し、結婚を学び、考えることを通して人生を再発見する「結婚教育」の必要性を発信している。奈良県などの市町で結婚支援事業を手がけてきた。

棚橋氏は講演で「集団就職があった時代は恋愛結婚がうまくいっていたが、今はお節介な人がいないと結婚は進まない」「子どもとのコミュケーションが取れない親も増えている」などと指摘した。

行政の結婚支援にも温度差があると主張し、結婚を支援することへのデメリットを感じてしまうことなどを理由に挙げた。異動や業務負担が多い自治体職員だけでは結婚支援に限界があることも指摘した。

その上で、結婚を支援するには「身近に相談できる人を増やす必要がある」と強調。「地域住民の力を最大限に活用すべき」とし、ボランティアを育成して継続的に協力してもらうことが必要だと訴えた。

支援に当たっては「専業主婦が勝ち組」「家を建てる」といった「昭和の幸せ像」から脱却し、若者の考えを理解することが必要だと強調。夫婦で協力して家事をする「共家事」を促す行政の施策も紹介した。

女性局長の松浦慶子県議(自民党、1期、多気郡選出)は閉会のあいさつで、結婚教育を進める必要性を強調。棚橋氏の講演を踏まえて「女性局としても(施策という)形にしていきたい」と述べた。