アマゴの稚魚1万5000匹放流 いなべ・小原一色川に、フローラと住民ら 三重

【アマゴの稚魚を放流する子どもら=いなべ市北勢町の小原一色川で】

豊かな自然を取り戻そうと、三重県いなべ市北勢町の小原一色自治会(水本敏也会長)と四日市市の天然植物薬品メーカー「フローラ」(川瀬善靖社長)は3日、員弁川源流の小原一色川でアマゴの稚魚を放流した。地元住民や近隣の親子連れら約100人が参加し、1万5千匹の稚魚を放った。

近年、川の魚が激減している状況に危機感を持ち、昔のように豊かで清らかな川を取り戻したいと、両者が共同で放流を計画。和歌山県新宮市の近畿大学水産研究所の協力を得て平成21年から始まり、今年で15回目。これまで毎回アマゴの稚魚1万匹を放流していたが、近年参加者が増えてきたこともあり、今回から5千匹増やした。

アマゴの稚魚は同研究所で約1年かけて育てられたもので、この日新宮市からトラックで運搬。参加者は決められた放流地点で自ら持参したバケツでアマゴの稚魚を受け取り、次々に川へ放流した。

いなべ市の日沖靖市長は「自然体験が子供たちには大事。こういった機会はなかなかないので、教育上貴重な体験になる」とあいさつ。

フローラの創業者、川瀬善業さんは「放流し始めた頃はホタルはいなかったが、最近は夜になるとホタルが飛んでいる。活動を続けてきて地域の環境が良くなってきたと感じる」と話した。