線状降水帯、三重で初の観測 台風2号 のり面崩落で車転落1人軽傷

【大雨の影響で激しく濁流する五十鈴川=伊勢市のおはらい町通りで】

大型の台風2号の接近などに伴い、三重県内では2日、観測史上初めてとなる線状降水帯が発生。南部を中心に広く大雨となった。伊勢市では車を運転していた60代女性がのり面の崩落に巻き込まれて車ごと転落。自力で車内から脱出後、消防に救助を求め、軽傷で病院に搬送された。

3日未明にかけて、雷を伴う激しい雨や場所によっては非常に激しい雨が降る大雨となる見通しで、津地方気象台では低い土地の浸水や河川の増水、氾濫、高波への警戒を呼びかけている。

2日は、停滞する梅雨前線に暖かく湿った空気が流入したことで前線が活発化し、午後に県南部で、長時間にわたって集中的な大雨をもたらす線状降水帯が発生。中南部や伊賀地域で大雨警報のほか、紀勢・東紀州では洪水警報も発令された。

午後3時現在、1時間の雨量は鳥羽72・0ミリ▽藤坂峠(大紀町)39・5ミリ▽尾鷲33・5ミリ―。降り始めからの雨量は熊野新鹿333・5ミリ▽藤坂峠306・5ミリ▽尾鷲300・0ミリ―。

伊勢、鳥羽、志摩市と南伊勢町では避難指示、玉城、度会、大紀町では高齢者等避難開始を発令した。また津市や松阪市では約20戸で停電が発生した。

南部を中心に国道や県道で一部通行止めが発生したほか、交通機関も、JRや近鉄、鳥羽市営定期船などが一部運転を見合わせた。

県内公立学校では、4校が休校、76校が下校時間を早める措置をとった。私立学校では、3校が休校、11校が下校時間を早める措置をとった。

3日にかけて予想される1時間の雨量は北中部50ミリ、南部60ミリ。3日正午までの24時間の雨量はいずれも多いところで150ミリとしている。今後も強い雨により災害の危険性が高まる可能性があり、十分な注意や警戒を呼びかけている。