2022年4月4日(月)

▼「人口減少対策フォーラム」が開かれ、亀井利克名張市長が「人口減少対策に向けたキックオフ」と位置づけた。県主催。ことしを「人口減少対策元年」と宣言した一見勝之知事の位置づけでもあろう

▼組織では五つ横並びの本部を新設したほか、人事では特に話題もなかった。予測されたことだが、フォーラムで特に具体策や方向性が示されたわけでも、人口減少対策に特化した課のないことに驚いた知事が、それら特化している先進県の取り組みや成功例を紹介したわけでもなかった

▼知事が懸念としてあげたのは、女性の転出が多いこと。女性活躍の時代を迎えて、活躍の場を県外に求めているということか。県外に飛躍していった知事らに女性も追随しだしたということかもしれない

▼3月で退職して経済産業省に戻った元雇用経済部長の島上聖司氏が本紙企画『お世話になりました』で、職員が県について「何もないところ」と言うのが気になった、と語っていた。「何でもあるが何もない」と、特徴のないこと、一番がないことを自嘲気味に語るのが昔の職員だったが、前知事が「それ全部、三重県なんです」と言って発想を転換させたようだった。どっこい、そうでなかったらしい

▼売り手が自信のない魅力を買う顧客はいない。経産省は〝ダボハゼ官庁〟と呼ばれる。他の省庁が持つ許認可権がなく、産業振興策は無から有を生み出さなければならないから他の省庁の大切な〝縄張り〟に踏み込むためで、そう言って嫌われた

▼国土交通省出身の知事もその一人であろうがもう少し働きを見たかった気はする。