<まる見えリポート>県庁は人事の季節 副知事に服部危機管理統括官

三重県庁は人事の季節を迎えた。本年度は稲垣清文副知事(65)が4年の任期満了で退任が見込まれるほか、福永和伸戦略企画局長、紀平勉総務部長ら8人が60歳の定年退職を迎える予定。稲垣副知事の後任には服部浩危機管理統括監(61)が確実視されているほか、総務部長は高間伸夫四港経営企画部長(58)が当確か。今年は秋に衆院が任期満了を迎え、どこかのタイミングで必ず総選挙が実施される中、かねて国政転出が取りざたされる鈴木英敬知事がどのような人事を繰り出すのか。令和3年度県幹部人事を展望する。(年齢は3月31日現在)

ほかに定年を迎えるのは大橋範秀子ども・福祉部長▽大西宏弥地域連携部長▽前田茂樹農林水産部長▽河口瑞子雇用経済部観光局長▽加藤和浩病院事業庁長▽湯浅真子議会事務局長。木平芳定教育長も60歳だが教育長任期があと2年あるため定年延長が見込まれる。

服部氏は本年度に定年延長が決定した時点で、稲垣副知事の“退任待ち”と目されてきた。内々に就任のお触れも出回っているとかで、サプライズ感はなし。財政難の中、長らく「数字に強い」財政畑出身が務めてきた同ポストにあって、人事畑の服部氏がどう手腕を発揮するか。

服部氏後任の危機管理統括監は、重量級ポストは部長級経験者が就くという定石を踏むのならば、現行部長からの登用が濃厚。その際は危機管理と相関性が高い防災対策部の日沖正人部長(59)の声が上がる。通常、定年まで残り1年での異動は邪道。が、知事とともに去りゆくポストの可能性も考えればありか。

日沖氏異動となれば、後任は次長級からの昇格が見込まれる。「同年代のエース」(同期職員)とされる山口武美総務部副部長(57)や、防災対策部の副部長経験がある藤川和重子ども・福祉部副部長(58)の名前が上がる。

戦略企画部長の後任は、同部企画課長を経験した安井晃環境生活部廃棄物対策局長(58)の横滑り就任が有力視。もともと技術系の「廃棄物対策のプロ」と称される人物が歴代就任してきた廃対局長ポストに、事務系の安井氏が就いたのもポストが空くまでの「仮置き」との見方がもっぱら。

安井氏後任の廃対局長は、技術系で化学職のホープと目される有富啓修同局次長(55)が有力視されている。

総務部長は高間四港経営企画部長の横滑り就任が確実視されている。この総務部長ルートは何代も前から仕込まれており、県土整備部や農林水産部の技術系集団のお株を奪うほどの鉄壁ぶりをみせている。

子ども・福祉部長には野呂幸利雇用経済部副部長(57)の声が。“オールマイティ”と称される野呂氏は知事の信も厚く、昇格組の筆頭候補の一人に名前が上がる。藤川副部長の直通昇格の可能性もある。

庁内からは「副部長らを眺め回してみても、一部を除きあまりこれといった人材はいない」(県幹部)と嘆きの声も漏れ聞こえる。確かに、雇用経済部長や県土整備部長といった重要ポストを国からお迎えしなければいけないほどの人材難ではある。定年延長が連発されてきた結果、部長級の高年齢化が進んでおり、大胆な若手抜擢なども期待されているが、国政に目を向ける知事がどこまで関心があるか。

地域連携部長には、野呂氏と同じく昇格が見込まれる山口氏の名前が上がる。ほかにも、「ひょうきんだが優秀で、いずれは部長になるだろう」とささやかれる小見山幸弘県土整備部副部長(56)の声も。小見山氏は四港部長でも名が上がる。

硬直した人事を打破するため、一気に若返りを図るならば、「小見山氏とライバル関係とされ、本庁人事課長から突如、武者修行に出された後田和也紀北地域活性化局長(55)の登用も面白い」(人事通)との意見もある。

農林水産部長には更屋英洋同副部長(57)が昇格の声。同部長ポストは技術系職員の就任が悲願となっているが、二代続いて事務系で、更屋氏もしかり。次長級の農水の技術職員では増田行信雇用経済部次長(57)らがいるが、増田氏は林業技師。同じ技術系でも農水部門は土地改良を司る農業土木が一大勢力のため、難しいとの声。

その増田氏には観光局長の声が上がる。増田氏は新型コロナの経済対策をまとめたり、先端技術分野で知事のミッションをこなしたりと縦横無尽に活躍しており、コロナで打撃を受けた観光業界の立て直しに期待の声が。観光行政にも詳しい中嶋中関西事務所長(59)を推す声もある。

歴代部長級経験者が横滑る重量級ポストとなっている議会事務局長には、坂三雅人監査委員事務局長(58)か。

知事就任以降、積極的に女性登用を行ってきた鈴木県政。湯浅、河口両氏が定年となるため、今年も積極登用が見込まれる。筆頭は紀平益美出納局副局長(58)の昇格が有力か。その場合、坂三氏の後の監査委員事務局長などでの登用が見込まれている。

病院事業庁長には長崎敬之同副庁長(58)や中尾洋一医療保健部副部長(58)の名前が上がる。ほかに昇格候補として、畑中一宝議会事務局次長(58)、瀧口嘉之津地域防災総合事務所長(58)、清水英彦防災対策部副部長長(56)、高野吉雄戦略企画部副部長(56)、中野敦子教育委員会事務局次長(56)らの名が上がる。

また、山口和夫代表監査委員(67)が今期限りで退任予定。後任には、SNSに含みのあるメッセージを残したことが話題となっている、前戦略企画部長の西城昭二氏(62)が就任するのではとの見方が庁内外で広がっている。