2021年2月8日(月)

▼鈴木英敬知事が全国知事会新型コロナウイルス緊急対策本部のウェブ会議で、外国人住民向けの感染防止対策として国による実態の把握やワクチン接種の多言語対応の必要性を訴えた。先の自民党政務調査会外国人労働者等特別委員会役員会でも訴えている。緊急警戒宣言では事業者に対し、外国人への丁寧な周知を要請する

▼知事の目が外国人に向けられるようになったのはむろんコロナがきっかけ。3日間の感染者43人のうち21人が外国人だったとして〝支援強化〟を打ち出したのは昨年8月。翌9月は沈静化したが10月は再び急増して、1週間の感染者19人のうち16人が外国人だとしてまた〝支援強化〟を明らかにした

▼併せて「誹謗中傷や差別、偏見は厳に慎んでもらいたい」と呼び掛けたのは〝支援強化〟が「外国人感染源説」に結びつくことを警戒したためだろう。にもかかわらず外国人を特定するのは、言葉の壁などで困っている人がいるのではないかという思いやりだ。外国人ならまあ、属性を明らかにしてよかろう、ということではあるまい

▼日本糖尿病学会と日本糖尿病協会が「糖尿病患者の皆様へ」と題する声明を公表。コロナに恐れる患者へ、具体的対策を助言して不安解消するのだという。高齢者の死者が急増する県だが、むろん高齢者を特定して注意を呼びかけることはしない

▼外国人と違って、高齢者比率が示されることもなく、死んでも住所は「県内」。無症状、軽症が突然急変して死に至ったというだけ。基礎疾患の有無も明かされなくなった。高齢者の不安は募るばかりだ。