2021年2月4日(木)

▼津市の前葉泰幸市長が市の代表的なホテルの一つ「都シティ津」の営業再開を断念し、新たな入居者の募集を3月から開始すると発表した。全館休業して再開時期未定としたのが昨年8月。その2週間前に運営会社である津センターの社長を辞任していた。相変わらず、対応が手早い

▼「なんとかぎりぎりで進めてきたが、新型コロナウイルスの影響でとどめを刺された。幕を引くのは大変残念」と語り「経営に関わってきた人間として申し訳ない」と続けた。社長辞任理由が不鮮明で「逃げに入った」「(格好つかなくなって後任社長となる)市職員に泥をかぶせた」などの声が広がった。こちらも対応したのかもしれない

▼全館休業後の市長定例会見で、すでに市は市街地活性化を考え、第三セクター津センターパレスがホテル部分の将来計画を策定。津センターは再開とともに他の可能性を模索する役割分担を決めている。市長は不動産としての活用を口にしていた

▼再開断念で、前葉市長は津センターの筆頭株主である津センターパレスの社長として今春再開に向けてホテル側と協議していたという。昨年12月の市議会では「津センター取締役会」で「近鉄・都ホテルズと来春の再開に向けて協議する」と語っていた

▼自身、筆頭株主として出席したということか。ホテル部分の将来計画を策定する津センターパレス社長と、再開を目指す津センターの筆頭株主とでは利益相反になることもあろう発言力はどちらが上かは明らかだ。社長辞任段階の結論を「ぎりぎり」持ち越してきたと見えなくもない。手際もいい。