2021年2月3日(水)

▼県の外部監査結果について、鈴木英敬知事が「指摘を踏まえてしっかり改善したい」と述べたのは当然として、その前に「全力でコロナ対応をしている医療保健部だったので質問に答える余力が少なく、やや説明不足な点がある」と断ったのは異例ではないか

▼苦しい言い訳とも取れるし、法の趣旨を逸脱していよう。そういう言い方で、監査結果に不満の意思をにじませたのかもしれない。何しろ、産科医等確保支援事業に対し「確保を図る必要性が明確に認められる状況ではなない。不当な補助金の支出と言わざるを得ない」。県の重点事業が真っ向から切って捨てられた

▼効率性、経済性から問題があるとする「意見」ではなく、法令などにも反しているとする「指摘」事項。事は重大だ。産科医師偏在指標では県は全国15位で、中勢伊賀地区及び東紀州地区などは相対的医師多数区域。補助の正当性が疑問とする指摘に、県は産科医師の労働は長時間で過酷だから、増員は県の必須の事業と抗弁した

▼過労かどうかは国のデータだけで県内調査はなく、不明ではないかと反論されている。コロナ禍対応というより、実態の把握不足ということだろう。県立志摩病院産婦人科が産科医不足で分娩休止にしたのは平成18年11月

▼出産を巡る裁判が相次ぎ、産科医志願者が急減して県内に危機感が走った時。支援事業はそんな背景の中で生まれた。十数年の歴史は当時の緊迫感が薄れさせ、惰性の中でよどみを堆積させたということか

▼そんなゆるみが、外部監査結果の指摘12件と意見31件の太宗を占めている。