▼「体罰等が問題となり、過度な練習によりスポーツ障害発症、顧問教員の時間外労働時間が増え生徒と向き合う時間を確保できないこと、競技経験等のない部活動の顧問を任され負担」などと、平成31年改訂の県部活動ガイドラインには、学校教育の一環として部活動がいかに重要かを強調したあと、問題点を列記している
▼その問題点に、土日の練習試合で生徒を引率した教員に交通費を支給していないことは触れていない。問題と思っていなかったか、臭い物にはフタか。部活による時間外勤務を認めていない法令を不支給の根拠にしているらしいが、引率先での深夜の飲酒は厳重注意処分にしている。管理者側の立場を守っただけだから、ということかもしれない
▼文部科学省は「検討」するようだ。障害者採用条件では、国の方針変更とともに当事者団体の抗議をただちに受け入れた。今回も、検討次第で改めることになるに違いない。当事者能力ということをちょっと考えてみたくなる。新型コロナウイルス感染拡大に伴う休業手当を非正規労働者には支払っていないとして、厚生労働省が企業に是正通知を送っている。民間対象の制度だが、非正規職員の多い県や県教委はどうしているか
▼こちらも、法令が認めていないという解釈で、賞与や退職金を支給してこなかった経緯がある。支給を認める判決がでると、判決がでた自治体と県の事情がいかに違うかを調査して、現状を維持してきた。土日引率教員の交通費は24都道府県で支給している。県教委がその中に入っていないのは、驚くことではない。