2021年1月20日(水)

▼放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会がフジテレビの「超逆境クイズバトル!! 99人の壁」に「放送倫理違反があった」とする見解を発表した。1人対99人のクイズ番組のはずが、99人側に解答権のないエキストラを大量に仕込んでいて「視聴者との約束を裏切るもの」であり、番組総責任者がそのことを知らず「製作過程の共有がなかった」という指摘である

▼「約束を裏切る」ことが倫理違反であることは言うまでもない。「製作過程の共有がなかった」ことの方は「取材・制作の過程を適正に保つことにつとめる」という『放送倫理基本綱領』が「適正に保たれていなかった」ということらしい

▼昨年9月にはテレビ朝日の報道番組「スーパーJチャンネル」が同委員会のやり玉にあがった。業務用スーパー特集で、ディレクターが自身塾長を務める演技塾の生徒や知人を〝客〟として偶然を装い登場させていた

▼昨年8月、TBSがバラエティー番組「クレイジージャーニー」で、特殊な能力者が珍しいトカゲを次々発見し、捕獲するという触れ込みで、スタッフが撮影直前に放していた。昔の見世物小屋で、板に血を塗って「大イタチ」と呼び込んでいたのを連想させる。テレビには似たところがあるのかもしれない。TBSは同2月にもスポーツドキュメント番組「消えた天才」がプレイ動画を最大56%、はや回ししていたという

▼視聴者が果たして裏切られていたのかどうか。「テレビを10倍楽しく見る方法」ではないが、告発も倫理委意見も含めて、楽しんでいるような気もする。