2020年6月12日(金)

▼緊急事態宣言後初の県議会は和やかで、第2波などへの緊張感などはないようだ。県が矢継ぎ早の対策を表明しているので、ひとまず模様見ということか。県の対応に特に切り込むような質問もなかった。県民がストレスを感じなかったか、県民のストレスを感じきれなかったか

▼本紙採録を読んでいても退屈だったが、中で病床削減を目的とした国の「地域医療構想」の行方は気になった。今年の人事発表で、医療保健部に医療政策課ができていたのには驚いて、課長に厚労省医療介護連携政策課医療費適正化対策室長補佐が天下りしていることに二度驚いたからだ

▼県内7病院が削減対象になったことに「憤りを感じる」と言った鈴木英敬知事だが、新組織表で見る同課の職務は病院開設許可など。要は医療費削減を施設面から進めることで、基本的には国の方針をどう三重モデルの落とし込むかではないのか

▼構想通りでやっていけるのかという山本里香議員の質問に、加太竜一医療保健部長が「非常時に各医療機関が果たすべき役割という観点も織り込む」。国がすでに計画の延期と見直しを表明しているから当然だが、どう軌道修正していくのか

▼基幹3病院のあり方を検討していた松阪市に対し、県は市民病院を急性期医療から外し、地域包括ケア病院への衣替えを示唆している。しかし、同病院は感染症対応病床を持つ県内4病院の一つで、松阪以南では2病院だけ。コロナ対策では軽症者の入院治療病院となった

▼「観点も織り込む」程度でコロナで体験した県民、医療従事者の危機感に応えられるかどうか。