2020年6月10日(水)

▼このところ行政や学校でわいせつ行為やセクハラが鳴りを潜めているが、何と地元三重テレビの男性アナウンサーが女性の同僚が住むアパートの敷地への不法侵入し逮捕された。「部屋の壁に耳を当てたり、中をのぞいたりした」というから目的はおのずと明かだ

▼5月下旬に同居男性に気づかれて逃げ、6月8日午前1時ころアパート前路上をうろついて職務質問された。病膏肓に入る、である。同局には友人も多いが、へきえきした表情が目に浮かぶ

▼わいせつやセクハラはむろん行政や教員の専売特許ではない。元財務事務次官のテレビ局女性記者へのセクハラ問題で、にわかに報道界のセクハラが注目された。女性記者有志がアンケート調査や分析に乗り出した結果、取材先との関係とともに、社内での理不尽な実態が報告されている

▼フリージャーナリスト、伊藤詩織さんと元TBSワシントン支局長の係争も、密室の出来事とばかりは言えない不透明さが消えない。三重テレビの女性は2、3年ほど前から「家の周りをうろうろする人」について会社に相談していたという

▼セクハラと同様、ストーカーまがいの行為も身近な関係者が少なくないし、恋愛のこじれも多いが。同僚とまでは分からなかったか。分かっていれば打つ手はいろいろあった気がするが、すぐに改めてくれたこともあるし、反発されたこともある。男女関係に介入するのは気が重いことも確か

▼鈴木英敬知事が、会社にコンプライアンスの徹底と信頼回復を求めた。同病相哀れむか。打つべき手を打っていなかったと言ってるようでもある。