<まる見えリポート>国体にも新型ウイルスの影 県内リハ大会の中止相次ぐ

【中止が決まったものと開催を見合わせているリハーサル大会の一覧】

新型コロナウイルスの感染状況を踏まえて、鹿児島県で今年9月から10月にかけて予定される第75回国民体育大会「燃ゆる感動かごしま国体」について、主催者の鹿児島県や日本スポーツ協会が6月中に開催可否を判断する方針でいることが17日までに分かった。未知のウイルスが国内最大のスポーツの祭典にも影を落とす中で、令和3年に第76回国体「三重とこわか国体」の開催を予定する県内でもリハーサル大会中止などの影響が出ている。

大台町は11日、7月に予定していた「第40回全日本中学選手権競漕大会」の中止を発表した。10日から3日間の日程で選手・監督を含め約1000人の来場を見込んでいた。会場となる同町弥起井の奥伊勢湖漕艇場は三重国体ボート競技の会場。町などは国体のリハーサル大会として位置づけ、準備を進めてきたが、感染リスクなどに配慮して中止が決まったという。

三重国体の競技別リハーサル大会は県民の競技への関心を高めることを目的に、国体会場地で開催される大会だ。会場市町や競技団体ら運営サイドの習熟も重要な目的。全日本中学選手権競漕大会では審判員など約120人の競技役員も参加して進行を確認するほか、三重国体用の新コースのお披露目も予定していた。大会中止が決まり、大台町の担当者は「役員の動きや施設運営など不安材料は多い」と複雑な胸の内を明かす。

リハーサル大会に認定されると補助金を受けられることもあり、来年6月まで40以上の大会が県内で開かれる予定だったが、大会期間を当初予定の7月から11月以降に延期したテニスを含む15の競技会が中止または日程変更を余儀なくされている。競泳と飛込の水泳2種目のリハーサル大会の位置づけだった7月の県水泳選手権大会は開催可否が決まる前に会場地の鈴鹿市が共催から外れた。

三重とこわか国体・三重とこわか大会実行委員会事務局では所定の手続きを踏んだ上でリハーサル大会の再指定は可能としているが、ある競技団体の理事長は「来年の全国レベルの大会は既に会場地が決まっている」と代替大会の開催に悲観的。カヌー、軟式野球のリハーサル大会中止が決まった四日市市の担当者は机上の訓練も検討するという。

感染拡大の影響は競技力の分野にも及んでいる。鹿児島国体の選手選考は4月以降、県予選の段階から棚上げの状態。今月14日に国の緊急事態宣言の対象地域から外れた県だが感染リスクへの不安は依然残り、予選を開催できるかは不透明だ。

1年後の三重国体に向けた強化活動にも支障は出始めている。県境をまたぐ活動自粛などで県外大学などに通う候補選手らを集めた強化練習会やスカウト活動の休止も続く。ある競技団体の理事長は「先の見通しはまったく立たない」とため息をついた。