2020年5月19日(火)

▼ふたを開けたら本紙の伝える通りということだろう。県議会正副議長選である。前議長が再選をめざすとか、議長立候補者が1人なら対抗馬を立てる動きなどが取りざたされていたとされるが、結果は各1人の立候補。それぞれ9票、10票という約5分の1の無効票(白票)があった

▼新政みえ、自民党県議団の2大会派がコロナ禍の中での攻防は避けたい考えで、その流れの中で進んだかに見えはするが、実際はどうしてどうして、ということが無効票の多さに表れているのではないか。個人の不徳や組織内での造反という域を超えている。調整力が落ちてきているようで、今後の議会運営が懸念される

▼中嶋年規前議長の動きもそのことを物語る。「議長に執着しているわけではないが、心残りはないかと問われれば、そうとも言い切れない」。公約した定数問題で、有識者の調査会を設立はしが、任期内の「中間とりまとめ」が困難となり、来年8月の答申も微妙で、内容も意図した形と違ったものになりそうという。「心残り」の言葉では言い尽くせない思いがあろう

▼議会が申し合わせた任期2年を議会自身が守る気があれば、中嶋前議長も1年で辞任し再立候補、という県民にとってちんぷんかんぷんの行動を取ろうとすることもなかったのではないか。そうすることでしか、議長にはなれなかったし、続投できなかったということだろう

▼申し合わせ任期の影は今回さらに薄くなる。決めたことは実行する議会でなければ「二元代表制」「議会改革」と言っても県民の支持、信頼から一層遠ざかるのではないか。