2019年7月27日(土)

▼県教委の担当課長や教育長の謝罪ではもうすっかりおなじみで県民に相手にされまいと思ったか、それとも、日本を代表するテーマパーク、東京ディズニーシー(TDS)での万引事件だから、ここは一番私が、と自ら買って出たか。定例会見で教職員の不祥事に、鈴木英敬知事が「県民に申し訳ない」

▼障害者雇用の水増しに続く県教委所管事項に対する知事の陳謝である。「家族といる状況でも起こしたのは残念で遺憾」―知事の驚きが伝わってきて、共感する。3月に万引四回で免職になった県立高教諭は「これぐらいならわからないと思った」と語ったという

▼思いもせぬ不祥事続発に、組織内の問題としての認識を問われ、廣田恵子県教育長は「組織というより学校の中で、自浄作用といいますか、そういうことをしていってもらいたい」。教育長の危機感が職員に伝わっていないから、とも

▼障害者雇用問題はじめ越境入学やブロック塀の安全基準違反など、県教委の判断に知事は違和感を表明してきた。県教委にはまかせておけないと思ったのかもしれない。前年度の教職員の懲戒処分は八人。うち四人が免職。研修などを充実させているのにこの結果で、廣田教育長は1月、悪いと承知で実行しているとし、異なる事案を一つ一つ「丁寧に、しかも早急に皆で整理し」根本的なところで根絶することを考えると語った

▼その後に不祥事対策として県教委が打ち出したのは厳罰化の「懲戒処分に関する指針」改定だけだ。画一化を強化したと言えなくはない。首長の教育への関与が強まる時代なのかもしれない。