2018年8月23日(木)

▼若い頃山ガールとしてならし、毎日のジョギングを欠かさなかったという71歳の女性が、その途中膝の激痛に襲われ、診断の結果、原因は軟骨の経年劣化で完全修復は困難と言われた、という新聞の投書を読んだ。まさか自分が、という驚きが伝わってきた

▼膝に加わる力は、階段を下りる時が歩行の2倍、ジョギングでは3倍以上という。若い頃と同じつもりの運動は気をつけなければならない。特に女性に膝を痛めるケースが多いのは、男性に比べて膝を支える筋肉が弱いせいで、筋肉を鍛える運動との組み合わせが必要だが、高校のバスケットボール顧問の往年の選手が、床を激しく足でたたくフェイントの指導をしてアキレスけんを切ったのを見た。現役並みの衝撃に耐えられなかったようだ

▼県教委の廣田恵子教育長が自宅で軽トラックの荷台から降りる際に転倒して膝を骨折したという。降り方の詳報はないが、慣れた生活のリズムが思わぬ厄災を呼び込んだ様子がうかがえる。女優の黒柳徹子さんが足を骨折したのは昨年だが、黒柳さんが司会する人気番組『徹子の部屋』で今年、岸惠子さん、佐久間良子さんが自宅で転倒し骨折したことを報告している

▼県幹部では田川亮三元知事が神宮・宇治橋で転倒して骨折したのが有名。アーチ状の橋につまずいたらしい。企画調整部長など歴任したOBが2人、自宅で作業中に脚立から転倒して骨折している。いずれも、まさか自分がと思ったに違いない

▼東京五輪、とこわか国体もいいが、健康寿命を踏まえた生涯スポーツの必要をあらためて痛感させられる。