斎宮中枢域の発掘成果報告 明和町の博物館

【斎宮歴史博物館の発掘成果報告会「奈良時代の斎宮解明へ」=明和町竹川の同館で】

【多気郡】三重県の斎宮歴史博物館は18日、明和町竹川の同館講堂で発掘成果報告会「奈良時代の斎宮解明へ」を開いた。今年度から調査に着手した奈良時代の斎宮中枢域の様相を示した。

天皇に代わって伊勢神宮に仕えた斎王がいた斎宮跡は昭和45年に発掘が始まり、同54年に国史跡に指定された。史跡の東半分は平安時代の方格街区が広がり、竹神社あたりに斎王の御殿「内院」があったと判明している。

史跡西部が飛鳥・奈良時代の中心とみられ、竹神社の旧社地そばで塀に囲まれた方形区画が複数見つかっている。飛鳥時代の区画を平成29年度から昨年度まで調べ、今年度から奈良時代区画の調査を始めた。調査地は同館南の近鉄山田線北側にある。

報告会には約50人が参加。同館職員は、区画内の東に建物2棟が南北に並ぶ配置が分かり、正殿の両脇に並ぶ建物のうち東側の建物の可能性があると説明した。

区画中央部につながるとみられる建物の柱穴を発見し、来年度は区画中央部を調査すると述べ、「東西方向に長い建物が出るかもしれない期待が高まる。区画中心部分の様相が一気に分かってくる。今から夢いっぱい」と話した。