2022年3月13日(日)

▼三重県立大学の設置の是非を検討する有識者会議の報告書が県議会常任委員会に報告されたが、委員からは反対の声が相次いだという。1年前の常任委とは打って変わった雰囲気。高校生対象の需要調査開始や有識者会議の第1回を報告したが、常任委からは財政論の議論がないことへの懸念があっただけ、戦略企画部長は「是となれば来年度から検討する」とどちらかといえば消極的な答弁をしていた

▼今回は「県が税金を投入して作る話ではない」「高校の学科も増やせないぐらいなのに、県立大なんて駄目」と露骨な反対論。この間、高校生需要調査で55%が「必要」と回答して「必要でない」の28%を大きく上回ったことに何の配慮もみられない

▼有識者会議の報告書自体「設置の必要性は一定ある」。この種の会議には珍しくないどっちに転んでもいい結論。分かりきったことを、と言いたくもなる。前回の指摘は新政みえの重鎮だったが、今回は自民党の中堅どころ。引き絞った手綱が一気に緩められた感

▼県立大学設置案は松阪市長との一対一対談などから前知事が一気に前のめりになった。対して一見勝之知事は、報告書案がまとまった1月末から1週間後の記者会見で「すみません、まだ話を聞いていない。これから聞くことになると」。気があるようでない

▼来年度も検討継続の考えを示し「特にビーバイシーの部分」。ベネフィット・バイ・コストの略で、コスト・パフォーマンスと同意だが、特に道路建設の調査分析で使われる用語。言葉は思考を意味する。教育問題を考えるのはこれからのようである。