2021年4月1日(木)

▼春は出会いと別れの季節でもある。県庁でも、1日からの新年度体制に伴う人事異動が発表され、本紙企画『お世話になりました』が去りゆく幹部職員の言葉を伝えた。新型コロナウイルスの第4波の影がちらつき、変異株が迫る恐れもある中ではあるが、満開の桜とともに変わらぬ人の営みを思わせてくれる

▼異動規模は前回を上回るというが、新鮮味の乏しさを感じるのは部長級の女性登用が前回比5・3ポイント減ったせいか。管理職全体では1・1ポイント増で12・1%らしいが、どちらも、意味を見いだすには小さな数値である。退職する河口瑞子雇用経済部観光局長が「人事異動のたびに『女性初の就任』と言われてきた」と振り返っていた。ガラスの天井はともあれ、急激な登用で後続層に枯渇が見られるということでもあろう

▼秘書課長や「東京での実質秘書課長」とされる東京事務所長を経た中山恵里子氏を定年まで残り1年の子ども・福祉部長。昇格とはいえ主幹課長を実質横滑りの消防学校長に就けるなど、懸命のやりくりが感じられなくもない

▼「新型コロナの対応や痛んだ経済の再生に全力を挙げて取り組める職員を登用」が鈴木英敬知事の総括的コメント。目玉がデジタル社会推進局新設と三重とこわか国体・大会の準備はともかくとして、新型コロナ対応はうかがえない。やるべきことはやったということか

▼「推進力と突破力」「企画力と計画力」「調整力と交渉力」など、新任部長に対する「全庁的な評価」を初めて披歴した。ごもっとも。時移り、人変わってもそうであらねばなるまい評価であろう。