【伊賀】稲森稔尚伊賀市長(42)のパワーハラスメント疑惑を巡る市議会の調査特別委員会(百条委)は23日、稲森市長の発言をパワハラと認定する報告書をまとめた。百条委の証人尋問で稲森市長の証言に虚偽があったとして、地方自治法違反容疑で告発する方針も明記した。
報告書によると、稲森市長は令和6年12月、民間企業と結んだ旧上野ふれあいプラザの売買契約を巡り、同社が特定の社員を雇用していることから契約を解除するよう職員に指示した。
この職員が「正当な理由にならない」などとして契約解除を拒んだところ、稲森市長は「やらないなら、あなたの処遇も考えますよ」「異動希望を書いてください」と発言したとされる。
市議会は職員の申し立てなどを受け、今年6月に百条委を設置。百条委は被害を申し立てた職員や稲森市長、周囲にいたとされる同僚ら10人への証人尋問などを経て、報告書をまとめた。
一方、報告書は百条委で発言を全面的に否定した稲森市長の証言について「虚偽の陳述」と判断した。地方自治法は議会に対し、百条委で虚偽の陳述をした証人の告発を義務付けている。
この日、百条委は報告書案を採決し、賛成6、反対1の賛成多数で可決した。反対した森中秀哲委員(草の根・無所属フォーラム)は「市長の虚偽陳述を裏付ける証拠がない」と訴えた。
百条委の百上真奈委員長が29日、西口和成議長に報告書を提出する予定。30日の本会議で採決される。可決されれば、議員発議などを経て告発に向けた手続きが進められる見通し。
稲森市長は百条委の認定について「記憶の限り誠実に事実を述べてきたにもかかわらず、一方的で結論ありきの議論に基づいて事実認定がなされたことは大変悔しい」などとコメントした。
告発への対応は「司法の場で正々堂々と戦い、真実を明らかにする」と説明。「今後も市政改革に向け、より丁寧な対話を心がけながら政策実現に取り組む」とし、続投の意向を示した。
稲森市長のパワハラ疑惑を巡っては、被害を申し立てた職員が8月の証人尋問で「(稲森市長の発言を)脅しと捉えた」と主張。発言の影響について「苦痛はあった」などと語っていた。
これに対し、稲森市長は証人尋問で発言を全面的に否定。「お互いが大きな声を出して言い合いになっていた」「相手の人格を傷つけるような発言は一切無かった」などと主張していた。
