伊勢市一般会計549億円 新年度当初予算案 4・9%増 過去2番目の規模

【令和6年度当初予算案を発表する鈴木市長=伊勢市役所で】

【伊勢】三重県伊勢市は15日、令和6年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度比4・9%増の総額549億4900万円で、過去2番目の予算規模。19日開会の市議会3月定例会に提出する。

鈴木健一市長は「笑子・幸齢化のまちづくり」を掲げ、次期ご遷宮に向けたまちづくり▽人口減少・少子化対策▽スマートシティの推進―の3つを重点施策に挙げた。「次のご遷宮を目標に現在進めているまちづくりや地元の歴史、郷土の資料を継承できる施設を整備していく」「子どもたちの福祉施策や教育支援にもしっかりとてこ入れし、防災・減災対策も強化していきたい」と述べた。

歳入は、市税が前年度比5・7%減の152億8千万円。地方交付税は0・9%増の117億8千万円で、臨時財政対策債は66・7%減の1億円。市債発行は10・8%増の31億6690万円で、6年度末の市債残高は558億8505万円となる見込み。

歳出は、職員の退職金手当の増加に伴い人件費が6・9%増の105億3090万円。義務的経費総額は3・7%増の287億6863万円。投資的経費は30・8%増の54億4125万円となった。

一般財源の不足に伴い、財政調整基金から37億7千万円を繰り入れ予定で、6年度末の基金残高見込み額は43億239万円となる見通し。

新事業として、次期神宮式年遷宮を見据え宿泊促進等を目的とした持続的な観光誘客プロモーション「伊勢志摩せんぐう旅博」の推進に350万円を計上。伊勢市駅前周辺のにぎわい創出に向け、道路空間を活用して交流ができる施設を設置する「まちなかウォーカブル」の社会実験の実施に1900万円を盛った。

大規模災害時の帰宅困難者に対し、食料などの物資を備える(仮称)宇治防災備蓄倉庫の整備に向けた調査・設計業務に693万円、子どもの読書支援として図書館分野の専門人材登用やモデル校において市立図書館と学校図書館の連携強化を図る実証実験に1512万円を計上した。

主な新事業は次の通り。

まちづくり協議会に集落支援員制度を導入1380万円▽賓日館や国名勝二見浦の保存活用計画の策定、賓日館のVR映像制作、郷土資料館の整備2807万円▽大阪・関西万博を生かした伊勢の伝統文化の発信に向けた取り組み520万円▽伊勢市駅手荷物預かり所の機能強化148万円▽二次交通の充実・確保250万円▽公共サイン計画の策定1千万円▽初回産科受診料の助成50万円▽おたふくかぜワクチン接種費用の助成520万円▽一時保育・ファミサポお試し利用の機会提供64万円▽不登校児童の居場所づくりのためのサポーター配置509万円▽大学等の受験料の支援338万円▽奨学金返還を支援123万円▽仕事体験イベント「Out of KidZania」の開催800万円▽空き家購入費用の補助400万円▽介護支援専門員の確保69万円▽相談支援専門員の確保1171万円▽民生委員活動の支援53万円▽ごみアプリの導入162万円▽3D都市モデルの導入1600万円▽製造事業者向けDX推進等セミナー開催87万円▽行かなくてよい行政サービスの利用促進595万円▽書かなくてよい窓口の実現1332万円▽草・枝木類の再資源化400万円▽読解力向上プロジェクト17万円▽JOCジュニアオリンピックカップU18/U16陸上競技大会・日本パラ陸上競技選手権大会の開催支援1100万円▽小中学校施設の長寿命化1億815万円▽チャイルドシート一時レンタル84万円▽帯状疱疹ワクチン接種費用を助成2060万円▽(仮称)伊勢市ビジネスサポートセンター新設2855万円▽商談・展示スキルアップセミナー開催100万円▽バラのり加工施設整備支援2億4千万円▽神田一之木線(通学路)の整備810万円。