松阪広域消防、33人懲戒処分 相次ぐ職員の逮捕受け、外部調査結果報告 三重

【陳謝する竹上市長(左)と松本消防長=松阪市役所で】

【松阪】三重県の松阪地区広域消防組合の管理者を務める竹上真人松阪市長と松本芳昭消防長は12日、同市役所で記者会見し、相次ぐ職員の逮捕を受けて進めた外部調査の結果を報告し、33人の9日付の懲戒処分を発表した。松本消防長(59)は管理監督責任を取り減給10分の1を3カ月。

竹上市長は「大量処分となった。洗いざらいにして再出発する目的。信頼回復に向けて一歩踏み出す」と述べた。

同組合は同市と多気、明和両町で構成。相次ぐ職員の逮捕や不祥事を受け、事実調査と再発防止を目的に外部調査チームを設け、同市総務部総務課リーガルアドバイザーの弁護士らが令和5年5月から11月まで、新規採用職員を除く全職員292人を対象に聞き取り調査した。

同組合職員は4年3月に松阪市内の釣具店での万引容疑で、同年8月に住居侵入・強盗の容疑で、5年2月に500万円をだまし取る詐欺事件でそれぞれ逮捕されている。

調査で新たにパワーハラスメントとセクシャルハラメントが判明し処分した。

消防署警防中隊長男性(49)は複数の部下に対し、訓練の際、ヘルメット越しに頭を手でたたく、太ももを蹴るなどのパワーハラスメントで減給10分の1を3カ月。

着衣を脱いで下半身を露出し同僚複数に見せつけ不快な思いをさせたセクシャルハラメントで分署長男性(52)は戒告。飯南分署で食べ切れない量の食事を食べさせようとした分署長男性(57)、消防本部係長男性(42)、消防署警防分隊長男性(50)を戒告とした。

管理監督責任で消防本部の次長男性(60)と参事官兼総務課長男性(52)、予防課事務担当男性(62)、警防課事務担当男性(61)の4人を減給10分の1を2カ月とした。松阪中消防署長男性(57)と消防本部消防防災課長男性(51)は戒告。

組合管理者と副管理者の多気町長、明和町長、同市副市長は5年度報酬を辞退する。

調査報告では「不適切な事柄やうわさを見聞きした場合の通報・報告体制が不完全で、これまで組織として対応ができていなかったことも不祥事が続いた一つの原因」と指摘した。