親亡き後の障害者の生活考える 亀山の市民団体「つむぐ」研修会 三重

【親亡き後の障害者(児)の生活と暮らしについて講演する渡部氏=亀山市東御幸町の市文化会館内中央コミュニティセンターで】

【亀山】三重県亀山市在住の山中保一さん(71)と濱野芳美さん(63)の2人が共同代表として、令和4年11月に設立した市民団体「親なきあとを考える会『つむぐ』」は10日、同市東御幸町の市文化会館内中央コミュニティセンターで「『親なきあと』の生活と暮らし」と題した、研修会を開き、同会員と障害者(児)の家族ら計40人が参加した。

行政書士で社会保険労務士の「親なきあと」主宰者の渡部伸氏(71)=東京都世田谷区=が講師を務め、障害者(児)の息子や娘の親が亡くなった後、残された子どもらの生活や暮らしについての課題など、これまでの相談事例を交えてアドバイスした。

残された子どもの生活を支える仕組みについて渡部氏は「今のうちに、成年後見制度や日常生活自立支援事業などを活用する仕組みを理解しておくこと」とし、「子どもが地域とつながりを持っていれば、地域が支えてくれます」と促した。

20歳の息子が重度の知的障害者の母親(51)は「息子を就労センターへ送り迎えしていますが、15年先には自分も高齢者となり、将来が不安です」と語った。

また、参加者の女性は、「行政に相談にいっても、たらい回しにされ、その都度説明するのにも心が折れそうです。窓口が一元化されることに期待したい」と話した。

渡部氏は平成26年、「親なきあと」相談室を開設。障害者(児)の親が亡くなった後、現在の法制度やサービスを組み合わせて、子どもが安心して暮らせるアドバイスを全国各地で行っている。問い合わせは山中共同代表=電話090(8738)1284=へ。