熱湯浴び無病息災願う 津・射山神社で湯立て神事 三重

【参拝者に熱湯を振りかける宮口宮司(中央)=津市榊原町の射山神社で】

【津】熱湯を振りかけ無病息災を祈願する三重県津市榊原町の湯立て神事「御湯(みゆ)」が11日、同町の射山神社であった。近郊の人や観光客ら約100人が訪れた。

湯の神を祭る同神社に江戸時代から伝わる神事で一度途絶えたが昭和30年代に復活し、毎年この日に執り行っている。

拝殿で温泉の湯をはらう神事をした後、神職が境内中央の鉄鍋で湧き水の長命水と合わせ、護摩木や絵馬をくべた炎で煮立てた。

その後宮口重明宮司が、笠取山で採取したクマザサを鉄鍋に浸し「無病息災、家内安全」と祈願しながら四方に湯を振りかけた。参拝者は頭を垂れてしぶきを浴び、終了後は縁起物のクマザサを受け取った。

親子孫の3世代で旅行に訪れた奈良県桜井市の山本嘉奈子さん(44)は「偶然神事の日でタイミングが良かった。榊原は初めてだがのどかでいい」、母親の村上陽子さん(70)=京都府京田辺市=は「今日が46回目の結婚記念日。いい記念になった」と笑顔で話した。