森本「勢いを今後に」 国スポ・スピード初V 三重

【国スポ・スピードスケート成年男子500㍍で初優勝した森本拓也(県スポ協)=1月29日、苫小牧市内で】

1月に北海道苫小牧市で行われた第78回国民スポーツ大会(国スポ=国民体育大会から改称)冬季大会スピードスケート成年男子500メートルで森本拓也(三重県スポーツ協会)が初優勝した。北海道出身。2017年以降、三重県所属で活動し、ナショナル強化選手選出を機に活躍の舞台を世界に広げてきた29歳は「勢いを今後に」と話す。

短距離の500メートルが得意で北海道池田高校時代、2000メートルリレーで全国優勝メンバーになったことも。日本体育大を卒業した17年春、4年後に地元国体の開催が決まっていた三重県で、スピードスケートのてこ入れのため、三重県体育協会(当時)のスポーツ指導員に就任した。同競技では第1号だった。

それ以降、氷上トレーニング中心の冬季を除き、三重県内で地道に身体づくりに励んできた。18年1月の山梨国体で500メートル4位、1000メートル5位と2種目で入賞するとその後もコンスタントに国体で入賞。昨年の八戸国体成年男子500メートルを制した同郷の後輩、辻本一史選手(27)=三重県スポーツ協会=は「愚直で研究熱心」と評している。

社会人3年目でナショナル強化選手に選ばれ、ワールドカップ(W杯)などにも出場して経験を積む一方、国体(国スポ)では直前の体調不良などのアクシデントもあって、最高順位は4位にとどまってきた。同時期開催のW杯第5戦出場を辞退して臨んだことしの国スポで悲願の優勝を果たして「安心した気持ちもある」と話し、今月カナダで開かれるW杯最終戦に向けて「(ベテランでも)まだできるというところを見せたい」と話している。