専用病床を確保へ、新型コロナ入院増で三重県 フェーズ引き上げ

【記者会見で感染防止対策を呼びかける一見知事=県庁で】

新型コロナウイルス患者の入院者が増加していることを受け、三重県は24日、病床確保フェーズを「0」から「1」に引き上げた。現行の制度となった昨年10月以降では初の引き上げとなる。

県によると、24日現在の入院者は前週同一曜日比113人増の326人。県は病床確保計画の基準に定めた245人に達したことを受け、フェーズの引き上げを決めた。

これに伴い、県は新型コロナの専用病床を確保する。計30床を確保するよう、22の医療機関に要請した。うち27床は重症者用。フェーズ0の段階では専用病床を確保していなかった。

一方、入院者が368人以上となれば「フェーズ2」に移行し、92床を追加する方針。県の担当者は「現状を踏まえると、近いうちにフェーズ2に移行する可能性がある」と話す。

全国では、三重以外にも岐阜や奈良、和歌山、大阪などの15都道府県で病床確保フェーズが「1」となっている。静岡や長野、福井、石川などの12県が「2」に移行している。

県内の感染者は昨年11月下旬から増加傾向にある。23日時点の1医療機関あたり感染者は平均15・76人で、9週連続で増加。今月の学年閉鎖は7校、学級閉鎖は12校に上る。

一見勝之知事は24日の臨時会見で「病床は逼迫(ひっぱく)していないが、さらなる感染拡大が危惧される」と述べ、こまめな換気や手洗い、場面に応じたマスクの着用などを県民に呼びかけた。

感染者が増加した理由は「人の移動が増えてきていることや寒さで換気をしていないことがあるかもしれない」と説明。「(感染の)第10波か」との問いには「専門家の分析を待つ」と語った。