<はばたけ村田世代・県内大学球児の進路②>伏木海陸運送で全国出場の夢へ 井田翔斗(皇學館大)

【井田翔斗】

皇學館大硬式野球部4年の井田翔斗は今春、富山県高岡市拠点の社会人野球チーム、伏木海陸運送硬式野球部の所属となる。入学以来不動の遊撃手として活躍してきた。野球を始めた小学時代から目指してきた全国大会出場の夢を叶えるため、都市対抗野球6回、日本選手権4回の出場実績がある“北信越地区の雄”に進む。

社会人選手への道は「とんとん拍子」で開けた。昨年の春先、オープン戦でひざを負傷。その後遠征などに帯同できず、アピールの機会を失って一度は4年春のシーズンで硬式野球に区切りをつけることも考えた。

ところが5月の春の東海大会で3日に及ぶ熱戦の末、中部学院大(岐阜)に次ぐ2位で全国切符を逃した悔しさから野球部にとどまることを決意。その後、実力を惜しんだ野球部の森本進監督の後押しもあって、伏木海陸運送野球部の練習会に参加し、入部を勝ち取った。

松阪市出身で甲子園出場経験校の津商高で1年秋からスタメン入り。皇學館大でも1年秋からレギュラーの座を守ってきた。緊迫する場面にも動じない強心臓の持ち主で、宇治山田商高時代俊足好打の遊撃手で鳴らし、高3で阪急ブレーブス(現オリックス)に2位指名されたこともある森本監督は「試合の中で守れる選手」と評価する。

勝負強い打撃も魅力。4年目は3番打者を務めて攻守で県リーグ10季連続優勝に貢献した。指の負傷で入学後初のスタメン落ちを経験した秋の県リーグは、スタメン復帰から2試合目の四日市大との優勝決定戦で3打点をマークし2年秋以来のリーグ打点王に輝いた。

4番を打った同期の村田怜音は昨年秋のプロ野球ドラフト会議で西武から6位指名され、皇學館大初のNPB選手となった。森本監督から「社会人野球入りで満足するんじゃなく、もう1つ上のレベルを目指して」と励まされた伸びしろ十分の22歳も「まず社会人選手として自分の限界、できるところまでやりたい」とさらなる成長を誓う。