「とんど」勢いよく燃やす 年神送る伝統行事 三重・津

【高く炎を上げるとんど=津市榊原町で】

【津】三重県津市榊原町の中ノ山地区で14日夕、年神を送る小正月の行事「とんど」があった。地区住民ら約20人が参加し、木やささ竹、稲わらなどを高さ約5メートルに組んで勢いよく燃やした。

古くは町内各所で実施されていたが少子高齢化で継続が難しく、現在は約30軒の同集落のみで行われている。

八幡山と呼ばれる共有地に松の一本木やすす払いに使ったささ竹を立てかけ、わら束や正月飾りを挟んだ「とんど」を準備。般若心経を唱えた後に点火すると、竹のはぜるバチバチという音と共に一気に炎が上がった。

町外から里帰りして6歳の娘と参加した稲垣香さん(42)は「なかなか経験することがない行事なので子どもに見せたかった」と話し、長く携わる堀川忠重さん(80)は「以前は焼けた竹や枝を持ち帰り翌朝小豆がゆを炊いた。昔の風習はなくなっていくが象徴的なものとして残していきたい」と述べた。