父追い〝安芸路〟目指す 楠中の加田、男子代表初選出 都道府県対抗駅伝

【都道府県駅伝に代表入りし父・将士さん(右)と握手する加田蒼選手】

四日市市立楠中2年の加田蒼が、都道府県駅伝の男子三重県チーム代表に初めて選ばれた。父・将士さん(38)、母・鮎美さん(38)=旧姓・吉田=はともに中学時代、県代表として都道府県駅伝を走り、将士さんは四日市工高時代に全国高校駅伝、中央大時代に箱根駅伝、NTT西日本時代にニューイヤー駅伝を経験した。「尊敬している」父も走った〝安芸路〟で全国デビューを目指す。

小学まで野球チームに所属。楠中入学後、陸上競技部に入った。1500メートルの元県中学記録保持者だった将士さんの背中を追うように、陸上競技を始めて2年目の昨年8月、東海中学総体2年1500メートルで優勝。都道府県駅伝で区間エントリーされれば初の全国大会出場で「任された区間で自分の走りができるよう準備する」と意気込む。

両親も全力でサポート。8年前に現役を引退した将士さんは仕事の合間を縫って自身の出身中でもある楠中陸上部の外部指導者に就任。四日市商高卒業後所属した実業団チーム、デンソーで選手のマネジメントも経験した鮎美さんは、アスリートフードマイスターの資格を取得して食事面から息子を支える。

楠中3年時の2001年、男子都道府県駅伝6区で区間15位と粘りの走りを見せ、1人を抜いた将士さんだが、当時の記憶はあまりなく「地に足がつかないまま終わった」と苦笑いする。23年後の安芸路で駅伝人生の一歩を記そうとしている息子へ、「楽しんで走ってもらえたら」と話した。