地域密着、交流の場に 度会町で山本さん「協力隊カフェ」 三重

【協力隊カフェを訪れた地域住民と話す山本さん(左)=度会町中之郷の町ふるさと歴史館で】

【度会郡】三重県度会町で初めての地域おこし協力隊として活動する山本幸恵さん(52)が、活動の拠点となっている同町中之郷の町ふるさと歴史館(旧小川郷小学校)で「協力隊カフェ」を開き、町民との交流を深めている。来月には地域に出向き「出張隊カフェ」を開く予定で、「まだまだ知らないことが多いので積極的に地域に出ていきたい」と意気込んでいる。

山本さんは今年4月、もう1人の協力隊の木崎高志さんとともに委嘱を受け、空き家バンクへの登録呼びかけや空き家の実地調査、移住定住の促進、同町のPRや情報発信などを実施。地域に密着し、住民と直接話ができる場を設けようと、6月から月2回、カフェを開いている。

ふるさと歴史館内の一角にテーブルと椅子を並べ、訪れた人にわたらい茶やコーヒー、お菓子を無料で振る舞う。子ども用に折り紙や画用紙、ペンなども用意している。オープン以来、高齢者や親子連れ、同館近くの中之郷保育所の園児らなど幅広い年代の人たちが訪れているという。

山本さんは「カフェに来たことがきっかけで住民同士が交流したり長く会っていなかった人たちが再会したりすることもあり、少しずつ、つながりが広がっている」と話す。

12月にはクリスマスの装飾を施したカフェを開催。子どもと一緒に訪れた30代女性は、山本さんと地域や子どものことを話しながらくつろいだ時間を過ごし、「子どもの遊び道具も置いてもらっているので来やすい。これから盛り上がっていくのが楽しみ」とにっこり。同保育所の園児15人も訪れ、ミニクリスマスツリーを飾り付けたり、オリジナルのカップケーキを作ったりして楽しんでいた。

【地元の園児らと交流を深める山本さん(中央)=度会町中之郷の町ふるさと歴史館で】

次回の開催は1月11、28日の午前9時―正午。同館に来られない人もいるため、20日午後1時半―同3時半に棚橋地区のコミュニティーセンターで出張隊カフェを開く。

山本さんは「町内には民泊施設がないので第1号として自分が施設をつくり、たくさんの人が集える場所にしたい」と今後の抱負を語った。