伊藤氏の功績たたえる 四日市市、学校図書費寄付で紺綬褒章伝達式 三重

【褒章を授与された伊藤氏(右)と森市長=四日市市役所で】

【四日市】三重県の四日市市は27日、市役所で、紺綬褒章の伝達式を開いた。森智広市長が伊藤製作所(同市広永町)会長の伊藤澄夫氏(81)に章記と飾版(しょくはん)を手渡し、功績をたたえた。紺綬褒章は地方公共団体などへ1千万円以上の寄付をした企業・団体、500万円以上の寄付をした個人が対象で、既に褒章を授与されている伊藤氏が同種の褒章を授与されることとなったため、飾版が贈られた。

褒章は国から授与されるが、市が寄付を受けた場合は、市から受章者へ伝達される。市から県を通して国へ候補者を推薦し、閣議決定を経た上、裁可を得て発令される。

伊藤氏は令和4年9月に四日市市立小中学校(59校)の図書室の図書購入費として590万円を市に寄付。市によると、全体で3200冊が各学校に整備されたという。

森市長は「以前にも会社からご寄付を3年間いただくなど、継続的に行政に多大なるご貢献をいただいている。子どもたちの学力向上、教育現場の向上に大きく寄与していただき、うれしい限り。2回目の受章、おめでとうございます」と祝辞。

伊藤氏は「最近の子どもは本を読まない、学校に本がないと聞き、寄付を始めたが、助かったという声を聞くと、また続けていかないといけないと思っている。大谷選手が『野球しようぜ』と呼びかけてグラブを贈ったのと、規模は何百分の一だが、形は似ており、僕も『本を読もうぜ』という気持ち。子どもたちから将来、『あのころ本を読めて良かった』と言われたらめちゃくちゃうれしい」と話していた。