干し芋「きんこ」作り最盛期 志摩、自然な甘み楽しんで 三重

【天日干しされてべっ甲色に輝くきんこ=志摩市阿児町国府の「芋の館きらら」で】

海女や漁師のおやつとして知られる干し芋「きんこ」作りが三重県志摩市で最盛期を迎えている。

きんこはサツマイモの一種「隼人芋」の皮をむき、釜で炊き上げて数時間蒸らし、1—1・5センチの厚さに切って10日から2週間ほど天日干しにする。ねっとりとした食感が特徴で、かめばかむほどイモの自然な甘みが楽しめるという。

JA伊勢によると、今年は11月下旬まで気温の高い日が続いたため、作業に遅れが見られるが品質は上々。市内の生産者22軒が手作業で作ったきんこをJAが集荷し、来年2月上旬ごろまで県内市場を中心に約1万袋を出荷する見込み。

同市阿児町国府の「芋の館きらら」では自家栽培した隼人芋を使い、地元の女性ら7人が皮をむくなど作業に励んでいて、干し場にはべっ甲色に輝くきんこがずらりと並んでいる。

芋の館きららの代表、森川まさるさん(74)は「志摩の海からの風と太陽の光を浴びた昔ながらのきんこを食べてもらいたい」と話した。