「宇治飾り」伝統を継承 伊勢で正月飾り作り 三重

【サカキなどを使って宇治飾りを作る森田さん(右)と従業員ら=伊勢市宇治中之切町のおかげ横丁で】

三重県伊勢市の伊勢神宮内宮周辺の宇治地区に伝わる正月飾り「宇治飾り」づくりが21日、内宮近くのおかげ横丁で行われた。

近隣の山で採取できるサカキやマツ、アセビといった常緑樹を、麻のひもで束ねてつくる正月飾り。この日は、宇治地区出身の森田和夫さん(91)が、横丁を運営する伊勢福の従業員9人に作り方を手ほどきした。

作り手の高齢化や市販の飾りの普及により、昭和末期から見られることが減った宇治飾り。森田さんは、数少ない作り手の一人。伝統を絶やさぬよう10年以上前から、毎年従業員らと一緒に作業し、技術を継承している。森田さんは「サカキを使ったこの地域独特の飾り。若い世代につなげたい」と話す。

この日は、玄関に飾る「門飾り」、台所に飾る「庚神(こうじん)さん」など3種類の宇治飾り計約60本を仕上げた。完成した飾りは、横丁の特設屋台で、数量限定で販売する。