有人自動運転バス出発 多気町のヴィソン 無人レベル4目指す

【ヴィソン内の専用レーンを走る自動運転EVの小型バス=多気町で】

【多気郡】三重県多気町の商業リゾート施設「ヴィソン」で19日、自動運転EV(電気自動車)の小型バスの出発式があった。有人の自動運転レベル2から始め、国内初となる公道での無人タイプのレベル4へ進める。車両は1台から国内最大規模の3台へ増やす。

一般道での自動運転事業を10地域以上で図る国土交通省の補助金を活用。同町とヴィソン多気、ソフトバンク子会社「BOLDLY(ボードリー)」が協力する。観光振興への活用を検証し、将来の同町での自動運転サービスの展開を検討する。

ヴィソンのシャトルバスのドライバーが自動運転のオペレーターや遠隔監視を担う。部分的に自動運転が可能なレベル2で1台から始め、本年度中に国内最大規模の3台に増やす。運転主体がシステムとなるレベル4を目指す。

ヴィソンは令和3年の開業当初から自動運転モビリティの走行を見据え、専用レーンを整備。運行はホテルヴィソンとバギーパークを結び、一般車道を含む約2・5キロ。バスターミナルなど8カ所で停車する。時速20キロ未満。運賃無料。1日14便。定員はオペレーターを除いて7人。

出発式で久保行央町長は「人口減少が進み、運転手が不足する。足の確保は大丈夫と言える地域にしたい」とあいさつ。

BOLDLYの佐治友基社長は「すごいチャンスをいただいた。来年レベル4に格上げしていく」「エレベーターガールに代わり乗客がポチッと行きたい階のボタンを押すようになったのと同じ。上下のエレベーターが自動運転車の横移動になるイメージ」と意気込みを語った。

ヴィソン多気の立花哲也代表取締役は「これがきっかけになってさらに活性化すれば」と期待した。

試乗した久保町長は「バスターミナルから町道に出る時は、きちっと止まって安全確認していた。快適に来れた」と感想を語った。