虐待相次ぎ特別監査着手 三重県、障害者施設「県いなば園」に

【報道陣の取材に応じる奥村専門監=津市稲葉町で】

入所者への虐待が相次いで確認されたことを受け、三重県は19日、津市稲葉町の障害者施設「県いなば園」に対し、障害者総合支援法などに基づく特別監査に着手した。これまでに判明している虐待以外にも不適切な行為がなかったかなどを調べる方針。

県によると、利用者の支援に携わる約150人が聞き取りの対象。施設を運営する県の外郭団体「県厚生事業団」で勤務する5人ほどにも聞き取る。必要に応じて利用者への聞き取りも検討するという。

聞き取りでは、これまでに県から認定を受けた3件の虐待以外にも、職員による虐待や不適切な行為がなかったかを確認する。虐待が相次いで発生した原因や施設の運営に関する課題なども聞き取る。

施設での監査は来月末ごろまで、県厚生事業団への監査は来年2月ごろまで続く予定。県は年度内に監査結果の報告書をまとめる。監査結果を踏まえ、障害者総合支援法に基づく勧告なども検討する見通し。

この日午前9時ごろ、子ども・福祉部の職員ら6人が施設に入り、施設で勤務する職員への聞き取りに着手。この日は18人の職員から1人ずつ聞き取った。聞き取りは午後4時ごろまで続いたという。

報道陣の取材に応じた福祉監査課の奥村勝己専門監は「そもそも短期間に連続して(虐待が)起きたことが特異事項」と指摘。「障害福祉サービスが適正な水準にあるかを監査で確認したい」と述べた。

これまでに判明している3件の虐待以外にも不適切な行為の疑いが浮上しているのかどうかは「まだ監査が始まったばかり。そのような事案が発覚した場合には、監査結果で示すことになる」と語った。

施設では先月、職員が中学生の腕をひねるなどしたほか、8月には成人の入所者を殴打。いずれも県から身体的虐待と認定された。令和3年9月にも、職員が児童を厳しい言葉で指導する心理的虐待があった。