教師は刺股、児童はバリケード 鈴鹿・桜島小で不審者対応訓練 三重

【訓練で不審者役を取り押さえる教員ら=鈴鹿市桜島町4丁目の市立桜島小学校で】

【鈴鹿】三重県鈴鹿市桜島町4丁目の市立桜島小学校(中馬圭子校長、671人)で29日、校内への不審者侵入対応訓練があり、児童と教師が不審者侵入時におけるそれぞれの対応を確認した。

不審者役は市教委の男性職員が務め「自分の車に投石した子どもを探すため、6年A組に侵入しようとする」という設定で訓練を開始。

教室前方の出入り口付近で担任が男性の対応をする傍ら、不審者侵入を示す秘密の合言葉で児童らに危険を告げると、児童らは前方の戸をドアストッパーで閉め、後方出入り口から静かに教室から退出。不審者から離れた別教室に素早く移動した。

併せて全学年の児童が各クラスの出入り口の戸を閉め、机でバリケードを作り、不審者の侵入を防ぐ防御策を実施。

児童らが防御策を実施する間に、他の教員も現場に駆けつけ、刺股で距離を取りながら5人で不審者を取り押さえ、通報を受けた警察官が身柄を確保した。その後、児童らはオンラインで不審者侵入の映像を共有。鈴鹿署生活安全課の一戸睦美警部補は「先生の指示に従ってスムーズに静かに移動できていた。万が一このようなことがあっても今回のように行動して」と講評した。

教育支援課の津田由美子課長は「今日学んだことをしっかり心に留めて、自分の命は自分で守るように」と、子どもたちに呼びかけた。

6年A組の後藤葵さん(12)は「練習と分かっていても怖かったが、静かに落ち着いて行動できた。何かあっても冷静に行動したい」と話した。