2023年11月16日(木)

▼学校の不祥事の責任を追及しにくいことについて保護者はかつて「子どもを人質にとられているようなものだから」という言い方をした。今はどうか

▼女子中学生にわいせつな行為をしたとして懲戒免職処分を受けた公立中男性教諭の勤務先や女子生徒との関係性を明らかにしない理由を、福永和伸三重県教育長は「県教委には公表の責任があることを何度も保護者に伝えたが、配慮を強く望まれたため」。むろん、我が子を思ってのことである

▼わいせつ行為での懲戒処分は本年度3件目。うちの一つになるのかどうか。5月に文書による厳重注意を受けた特別支援学校校長の場合は、講師が生徒の容姿に不適切発言をしたことが発覚しても保護者への報告や謝罪を指示しなかった。テストの答案用紙を別の生徒に見せたことも県教委への報告が遅れた。校長が処分を受けた時は、すでに講師は任用期間が終わり、学校を去っていた

▼わいせつ行為の一つ、性的言動を繰り返して停職6月の懲戒処分となった県立高教諭のケースは、3カ月前に発覚して校長から指導を受けていたのに、わいせつ行為を続けた。校長の許可を得ず、生徒を自家用車に乗せてもいる。親心に便乗して、あるいは子どもの将来を守るを言い訳に、学校全体に隠蔽(いんぺい)体質が浸透しているのではないか

▼この教諭は「相談に乗るうちに好意を抱くようになった。触りたかった」。今回免職処分を受けた中学校教諭は「いけないことだと分かっていたが、止められなかった」

▼まるで動物園だ。保護者への責任転嫁体質を放置したままではタガは締まるまい。